- 昔は自己PRなんかしなくても高校入れたし
昔(昭和50年代)は公立の高校入試といったら一発勝負で、前期だの後期なんて区別はなかったと思います。 (知らないだけで、あったのかなー?) とりあえず、チョビが育った地方では面接なんてものはナシで入学できました 。成績はイマイチでも、部活で活躍した華々しい体験や特技のある人はいいんです。しかし、自己PRなんてほとんどの人には 「何を書いたらいいんだろ」と途方に暮れる代物ではないでしょうか。昔は自分をPRするなんて、自己顕示欲の強いヤツだと 敬遠されたものでした。自慢と自己PRは違いますが、謙遜せずに自己を語ることは「はしたない」と教育されたように思います。 過剰な謙遜は却って嫌味ですが、寡黙に、個人プレーは避け、チームワークでコトに当たり難局を乗り切るというのは日本人の得意技 だったような。伝統的な美徳は尊重しつつ、加えて集団の枠には収まりきらない個性も伸ばしていける。そんな社会が住み易いん じゃないでしょうか。
- 自己PRをするにあたっての心構え
と、チョビの意見を言っても仕方ないので、ウォーミングアップを始めましょう。自己PR書を作成するにあたっての、 何とも言えないモゾモゾ感の払拭から。話がいきなり大きくなりますが、まずは自分にとって一番大切なものの確認をしましょう。 生物にとって一番大切なのは自分の命だと思います。そう。自己PRがうまくできなかったからと言って、死ぬわけじゃないのです。 何か秘策が聞けそうだと期待したのに、開き直りか? とガッカリされたと思いますが、開き直りは重要です。自己PRが苦手な人は 人前で発表することも苦手だと思います。準備する期間があるなら原稿を用意し、棒読みだっていいんです。死ぬわけじゃありません 。事前の準備も許されず、いきなり意見を求められたらどうしましょう。「わかりません」でいいんです。ただし、何を求められて いるかは冷静に判断し「現時点ではわかりません。しかし、○○を調べ、次回までに意見をまとめたいと思います」とか、次回が無い 状態なら「○○について述べられるように勉強します」と答えると「わかりません」だけよりは良い印象が残せます。
- 発表が得意な人を観察してみよう
話は変わりますが、イギリスには英国王立研究所というものがあり、毎年子どもたちへのプレゼントとして 「クリスマス・レクチャー」を開催します。これは半年遅れで日本でも開催されます。日本では夏休みが始まったころですね。 一流の科学者が、あの手この手の実験装置と巧みな話術で難解な科学を分かりやすく見せてくれます。「マイクロプロセッサの 発熱問題がコンピュータの進化の限界を……」とか言われても「何のこっちゃ?」と思いますよね。しかし、表・裏に0と1が 書いてある板を使って、0のときは座る、1のときは立つという単純な実験を通して、参加者はコンピュータの内部で行われている オンとオフの膨大な繰り返しが、いかに「暑い」か実感しました。実験も素晴らしいのですが、何より講師の教授が堂々としています。 日本の首相とアメリカの大統領の演説を比べて、何か感じることはありませんか? 内容はともかく、大統領の方が堂々として 見えるのは気のせいでしょうか。そう。場合によっては内容より態度の方が発表への評価に影響を与えることもあるのです。 同じ内容の発言なら挙動不審な発言者より堂々としている方が信用されます。また、漠然とした一般論より身近な体験の方が 「印象」に残こせます。
- よく知っていることは言ってみたくなる
満員になれば1800名もの人々を前に、教授は緊張したりしないのでしょうか? 客席から観察する限りでは楽しんでいる ようにも見えました。実際、自分が今まで研究してきたことを発表できて、嬉しかったのではないでしょうか。よく知っている ことは語りたくなります。自分を知る。それがPRの第一歩です。自分は何が好きなのか。何が得意なのか。なければ作りましょう。 得意なものは思い浮かばなくても、好きなものはあるはずです。好きなモノは得意なコトへの近道でもあります。 好きなものが思い当たらないとしても、嫌いなもの、不得意なことまで何もない人は珍しいかと思います。 不得意なことが何もなければ、すごいPR材料ですよね。好きなこと、得意なことはとことん極めましょう。 好きなことが無ければ嫌いなものをヒントに、なぜ嫌いなのか不得意なのか考えてみましょう。考えているうちに原因が分かり、 対処法が見つかるかもしれません。それが分かれば自己PR書の1通や2通のネタには十分です。それでも何も思いつかないときは、 自分が考えた筋道を整理してまとめるのもいいかもしれません。今はまだ人生の進路が見つからなくても、いろいろな角度から考える ことのできる視野の広い人だなという印象は残せます。
- 続く……
次回の更新をお楽しみに。
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